≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
江戸時代以来の佇(たたず)まいを残し「飛騨の小京都」とも呼ばれる飛騨高山。かつて全国で五本の指に入ったといわれる高山城の城下町として栄えた文化、北アルプスの名水を生かした酒造り、多くの人々の心を捉える魅力の陰には、地元を愛する人々のさまざまな知恵や工夫が生きています。
今回は200年の伝統に革新を取り入れチャレンジする舩坂酒造店の有巣さんを岐阜県高山市に訪ねました。
東京、京都などと並び、ミシュランの旅行ガイドでも三つ星がつく人気の観光地、飛騨高山。2012年には約15万1000人だった外国人観光客も、14年には年間約28万人にまで増加したといいます。山々に囲まれた自然の中に、京都を手本に造られた街並み、手入れの行き届いた木造の建物が、今も美しく立ち並ぶ様子は、人々に古き良き日本の風情を感じさせてくれるからなのでしょう。
天領地として栄え、食文化にも磨きをかけられた土地柄とあり、江戸末期から明治初頭にかけて、この街には140軒もの蔵元があったといいます。急峻(きゅうしゅん)な山々がもたらす湧水や地元の米から生まれるおいしい酒。豊かな自然の恵みとともに、生き生きとした人々の生活がしのばれます。