浦川通の「バイナリカードゲーム」(2014年)では白黒のカードを使う。コンピューターの基本原理になっている二進法と同じで、白は「0」黒は「1」を意味する。例えば迷路を抜けるゲームでは、白白は上、黒黒は下、白黒は右、黒白は左とあらかじめ決めてあり、カードの置き換えで丸い玉を上下左右に動かして、出口まで導く。
中山晃子の「卵」(2015年)と「赤い緑、黄色い青」(2015年)は、刻々と形や色彩が変化していく絵画だ。「卵」は「デカルコマニー」と呼ばれる手法を駆使している。流れるいくつもの鮮やかな液体がぶつかったり、混ざり合ったりする様子を映像に撮り、逆モーションで再生。さらに上下を反転して組み合わせている。不思議(不気味)な生き物が生まれ、増殖しているようにも見える。
「赤い-」は色や形が少しずつ変化するようにコンピューターで加工。見ているうちに、赤が緑に、青が黄色に変化して、最初に見たときとはまったく別な絵になっていることに気づく。