新国立競技場の建設問題に関して開かれた、文部科学省の第三者委員会の第2回会合=2015年8月19日、東京都千代田区(共同)【拡大】
資料は新国立競技場問題に関する19日の文科省第三者委員会で示された。試算は、開閉式屋根のあるザハ氏のデザインを実現し、各競技団体などの要望を全て盛り込むことが前提とされた。
文科省によると、事務方が下村博文(しもむら・はくぶん)文科相に試算や見直し案を報告したのは約2カ月後。重要な情報が早期の抜本見直しに生かされなかった。
その後JSCは建物の面積や高さを見直して、14年の基本設計段階で1625億円に抑えたが、最終計画では2520億円となった。巨額過ぎるとの批判を招き、計画撤回に追い込まれた。
またJSCの資料で、施工予定のゼネコンは今年に入って3088億円、JSCと設計会社側は2112億円の試算を出していたことも明らかになった。文科省はこれまで、それぞれ3000億円超、2100億円程度と説明していた。