バイリンガルの栗原類さん(左)、ビジュアルが主人公に似ているという岸井ゆきのさん(中)らの個性を生かした演出を進めるノゾエ征爾さん=2015年8月6日、東京都中央区(荻窪佳撮影)【拡大】
どんでん返しが続く展開には、松尾が主宰する劇団「大人計画」などで表現してきたシニカルな笑いも詰まっている。ただ「リアリティーがなければ成立しない」という松尾の世界観は生きている。何度か登場する“皮を剥ぐ”場面は「そのたびに痛みやいろんなことが伴う。(過去の)歴史をぬぐい去り、次に行こうとしたり戻ったり」(ノゾエ)と、人生を歩む意味を子供にも伝えようとする。
ダンスと音楽を加えたのは、その世界観を分かりやすく表現するため。軸となるルーシーと王子には、本人の個性が役柄に生きる岸井と栗原を起用した。
歌・ダンスにチャレンジ
ルーシーは漫画「ちびまる子ちゃん」の主人公を、よりふてぶてしくしたような少女。ノゾエは岸井を「奇跡的にビジュアルがそっくり。大人と少女を持ち合わせ、残酷な生々しさをにじみ出せる」と評する。
岸井は原作を「キュートな話なのに残酷でグリム童話みたい」と笑う。おじいさんや馬の行きすぎた気遣いを「全て分かっていて受け入れる、ルーシーの強すぎる心になかなかついていけなくて。歌にダンスもチャレンジです」と話す。