英作家、オスカー・ワイルド原作の「ドリアン・グレイの肖像」が、歌手で俳優の中山優馬(ゆうま、21)主演で舞台化される。19世紀末のロンドンで、美青年ドリアンが若さを保ち続けながら、行動が堕落していくに従い肖像画が醜く老いていく怪奇的な幻想小説。今回がストレートプレーの初舞台で初主演となる中山がまず学んだのは、純真だった青年の内面から光り輝く「スマイル」だという。
スポンジ状態で勉強
「ドリアン・グレイの肖像」は名家の子息、ドリアン(中山)の魅力に打たれ、画家、バジル(金すんら)が肖像画を描くことから始まる。絵の美しさに嫉妬し、若さを保ちたいと願うドリアンは、ヘンリー卿(徳山秀典)と出会い享楽的な生活を送り始める。愛した女優、シビル(舞羽美海(まいはね・みみ))を裏切り死なせるなど行動が堕落していくにつれ、肖像画が醜く変化していく。演出は英国出身のグレン・ウォルフォード、脚本はG2。
ウォルフォードは日本で「ブラッドブラザース」など、ジャニーズ事務所の所属俳優との舞台に多く携わってきた。まず中山に教えたのは「スマイル」。「ドリアンは優しくてチャーミングで、周囲が魅了される若者。楽観的な喜びが内面から光り輝く必要がある。優馬は『自分は憂いのある表情がいい』と思い込んでいた」と話す。