中国・天津市の港湾部で発生した大規模な爆発で、噴き上げられる炎=2015年8月13日(共同)【拡大】
Q なぜ化学物質が大量にあったの?
A まだ明らかではない。ただ、瑞海の会長と大規模な産業事故防止の責任者、国家安全生産監督管理総局の局長との癒着が背景にあるとの指摘がある。局長は瑞海と関係が深い化学工場で副社長や天津市の副市長を務めたことがあり、安全総局長に異動した直後に危険な化学薬品の取り扱いの規制を緩和した。2人の関係は批判の的だ。
Q 当局の対応は?
A 習近平指導部は国民の批判が高まるのを抑え込むため関係者の処分を急ぐとみられる。北京市で9月3日に開かれる抗日戦争勝利記念の軍事パレード前に政権の権威に傷が付きかねないとの危機感があるからだ。
当局は既に瑞海会長らを拘束した。安全総局長も重大な規律違反と違法行為があるとして調査対象になった。宣伝当局は国内の報道機関に独自の取材や報道を禁止するよう通知した。だが、爆発から1週間以上たっても現場付近は異臭が漂うなど事態の収拾は見通せない。