約1万2000人が参加して行われた大規模な軍事パレードで行進する兵士=2015年9月3日、中国・首都北京市(ロイター)【拡大】
中国の習近平国家主席は3日、北京の天安門広場で行われた抗日戦勝70年を記念する行事で演説し、中国軍の余剰兵員の「30万人削減」を表明した。続いて行われた軍事パレードでは、米国を射程圏内に収める長距離弾道ミサイル、東風(DF)5B型などの国産兵器が初めて公開された。
対米抑止を念頭に置いた兵器開発を進める一方、習氏は「中国は終始平和発展の道を歩む」と主張。兵員削減方針の表明は、「中国脅威論」の緩和を促すと同時に、総兵力約233万を抱える軍が直面する、余剰兵力の削減という課題にも合致する。
1949年の新中国成立後、同広場での軍事パレードは15回目で、建国を祝う10月1日の国慶節以外に行われたのは初めて。「抗日」を掲げて実施されたのも初めてで、習氏は演説で「不撓(ふとう)不屈の精神で血を浴びながら奮戦し、日本軍国主義の侵略者を徹底して打ち負かした」と述べ、戦勝国の立場を強調した。
天安門の楼閣には、習氏夫妻のほか、ロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領ら約30カ国の首脳級や国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長、中国共産党の指導部メンバーが並んだ。江沢民氏や胡錦濤氏らの長老も姿をみせた。(北京 川越一/SANKEI EXPRESS)