約1万2000人が参加して行われた大規模な軍事パレードで行進する兵士=2015年9月3日、中国・首都北京市(ロイター)【拡大】
「軍事パレードは日本の軍国主義勢力の復活を牽制(けんせい)する意味がある」と述べたテレビ解説者もいた。
2012年に発足した習指導部は、政権の求心力を高めるために激しい日本批判を展開してきた。世界各国に「日本が歴史を歪曲(わいきょく)している」「日本で軍事主義が復活しつつある」などと説き、反日包囲網を形成しようとしている。
今回の軍事パレードは「反日外交の集大成」ともいえる。
人民解放軍に続き行進したパキスタン、キューバ、メキシコなど11カ国の外国軍の部隊のほとんどは、旧日本軍と戦ったこともなければ、日中戦争中に中国を支援したこともない。むしろ、中国から支援を受けている国が大半を占めた。
1980年に独立したバヌアツ共和国大統領のロンズデールは夫人とともに参加した。バヌアツは今年3月、台風の被害を遭ったとき、中国から3000万元(約6億円)という破格の支援を受けた。「お礼のための出席ではないか」と話す欧米記者もいた。
天安門楼上で手を振る約30カ国の首脳は、習を囲むように配置された。CCTVは習と隣のロシア大統領、プーチン、さらにその隣の韓国大統領、朴槿恵(パククネ)の3人を中心に映し続けた。