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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛 (3/5ページ)

2015.9.6 14:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 【KEY BOOK】「〈世界史〉の哲学/古代篇」(大澤真幸著/講談社、1944円)

 古代ギリシアではあ「真実を語ること」を「パレーシア」という。世界や社会をどこまでパレーシアできるのか。大澤の壮大な試みは、ヨーロッパが作成した〈世界史〉がイエス・キリストの殺害をどうパレーシアしてきたのかという観察に始まった。難解なテーマを抱えて思索と叙述に挑むのは大澤の「好み」に近い。その「好み」が記述の中で時折とんでもなく重大なキーコンセプトを掴まえる。本書では最後に出てくる「偶有性」が最も重要だ。

 【KEY BOOK】「〈世界史〉の哲学/中世篇」(大澤真幸著/講談社、1944円)

 ヨーロッパが入念につくりあげた〈世界史〉は、「何を持っているか」というhavingと「何であるのか」というbeingとを、どう重ねられるかという工夫の歴史だった。この中世篇ではキリストの殺害が及ぼす領域すべてに、この「もつ」と「ある」との重合についての試みが検討される。ところが歴史はここに「奪略」(とる)と「利子」(ふえる)という新たな手口を加えた。資本主義はこの新たな手口の正当化に向かって発信していった。

インドは「幻」、中国は「文」、日本は「絞」

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