東芝は7日、2度延期していた2015年3月期連結決算を発表した。利益水増し問題の影響などで最終損益は前期の602億円の黒字から、378億円の赤字となった。当初予想は1200億円の黒字だった。09年3月期から14年4~12月期までの下方修正額は税引き前損益が計2248億円、最終損益が1552億円とした。内部通報制度の強化を盛り込んだ再発防止策の骨子も公表した。
室町正志会長兼社長は7日、東京都内の本社で記者会見し、白物家電など不採算事業のリストラに関し「大胆に実施する。少なくとも年内に(具体的な)方針を示す」と加速させる方針を強調した。利益水増し問題の影響で事業基盤が揺らいでおり、収益改善を急ぐ。
白物家電の生産拠点は海外が中心で、従業員の雇用にまで踏み込むかは明言を避けた。
また医療関連事業の売上高を17年度に1兆円に引き上げる目標の白紙撤回を表明した。経営の新たな柱に掲げていたが、収益は伸び悩んでいた。
東芝は新たに会計調査が必要な事案が約10件見つかったため、8月31日に予定していた決算発表を延期。2度延期する異例の事態となり、市場の不信感が高まっていた。