スタジオクーカのメンバーやスタッフ、施設長の関根幹司さん(最後列の白いシャツの男性)と一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる(中央)=神奈川県平塚市(tobojiさん撮影、提供写真)【拡大】
関根さんは「自分たちとは違う感性、カテゴライズできないもの。それこそがアート」と話す。福祉業界に旋風を巻き起こし、現在40カ所以上で商品を販売するクーカだが、最初から順風満帆だったわけではない。アートをやり始めた頃は、利用者の親や同業者から「いったい何になる?」「ただのゴミ」と批判された。福祉施設が共同で行うバザーに出品しても惨憺(さんたん)たる結果で、作品はほとんど関心を示されなかったという。
けれども、関根さんはあきらめなかった。本格的な画廊で展覧会を行ってみたら、プロの美術家やコレクターから高く評価されたのだ。
「作品が売れたことで、親御さんもゴミだと思っていたものがアートだったのか…と喜んでくれました」
現在、クーカのメンバーの中には、ハンディをもった作家として注目される人や、絵本作家として活躍する人もいる。「才能を見抜いていた?」と聞いてみたら、「僕は好きでしたね」と即答。「無造作にやってても、計算しているとしか思えないような絶妙な平面構成。後先のことを考えない、見事な汚し方…。まねしようとしてもできない」