広島県広島市安佐南区八木地区の住宅地。土石流に襲われた住宅跡が更地となって連なる=2015年8月19日午前(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】
≪予算に限界 「1万カ所なら兆単位必要」≫
広島市の土砂災害をきっかけに、会計検査院が人口集中地区に着目して独自集計した砂防設備などの整備状況は、各都道府県の進捗(しんちょく)に差が出た。山間部や急傾斜地を多く抱える自治体は負担も大きく、限られた予算内で優先順位を付けて対応しているのが実情だ。
「砂防ダムは10万、20万円でできるものではない。1万カ所あれば兆単位だ」と話すのは長崎県の担当者。検査院の集計では2014年末現在、砂防設備などが未整備の箇所数が最も多かった。
長崎県は15年8月までに約1万1000カ所を警戒区域に指定。全国12番目の多さだが指定済みなのは全体の4割弱で、最終的には3万カ所を超える見通しだ。
県内人口最多の長崎市は「坂の町」として知られ、警戒区域も4000カ所以上。県の担当者は「人口だけでなく、災害に弱い人の有無や地元の要望も加味しながら、予算を確保して進めている」と厳しい現実を明かした。