シリアのバシャール・ジャファリ国連大使(右)と言葉を交わすロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使。ロシアの軍事支援強化が米露関係の緊張を高めている=2015年8月7日、米ニューヨーク、国連安全保障理事会の議場(国連提供・共同)【拡大】
北方領土交渉の前進期待薄
イランは、シリア、レバノンに対する影響力を拡大する目的でアサド政権を支持している。米国は、ロシアとイランが提携してアサド政権に梃子入れすることを警戒しているが、事態はその方向に向けて進んでいる。
20日に岸田文雄外相がロシアを訪問するようであるが、現状で日露が接近することを米国は好まない。北方領土問題に関しても、領土交渉の担当者であるモルグロフ外務次官が北方四島はロシアに合法的に移転したので、日本との領土交渉には応じないという立場を表明している。日米関係を悪化させ、しかも北方領土交渉の前進も期待できない情況(じょうきょう)で安倍晋三首相と外務省は、いかなる勝算があって日露外相会談に臨むのであろうか。理解に苦しむ。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)