指揮者が積極的に演奏
シベリウスの人気は、イギリスと日本で特に高い。その理由は、積極的に作品を演奏会で取り上げた指揮者の存在が大きい。
イギリスではコリンズ、バルビローリ、デイビス、ベルグルンドという指揮者が、交響曲全集を録音している。また、イギリス出身でベルリン・フィルの首席指揮者兼芸術監督のラトルは、バーミンガム市交響楽団音楽監督時代に全集を録音、ベルリン・フィルに移ってからも全曲演奏(チクルス)を行った。
日本におけるシベリウス紹介者の筆頭は、フィンランド人声楽家を母に持つ渡邉暁雄だ。日本フィルを創設し、初代常任指揮者となった渡邉は1962年、世界で初めてステレオ方式によるシベリウス交響曲全集を発売、ワールドワイドでリリースされ、本国フィンランドでも評価された。
渡邉の演奏を60年代から聴いてきた音楽評論家、青澤唯夫氏は「彼のシベリウス演奏は素晴らしかった。オーケストラを流麗に歌わせ、しかもそこに節度と品格があった。演奏に気品があるから、シベリウスの音楽の清冽(せいれつ)さや詩情が生きる」と回想している。