読者の方からご支援をいただき、重い心臓病の子供たちを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞社提唱)が9月初旬からミャンマーで行った医療支援に同行した。参加したのは、手術を行う外科チームとカテーテル治療を行う内科チームの計10人。ヤンゴンの病院で1週間、約40人の子供の治療を終えた10人に感想を聞いた。
「止めた心臓が動き出す瞬間がうれしかった」と振り返ったのは、手術中に患者の心臓の代わりに動かす人工心肺装置を担当した国立循環器病研究センター(国循)の松本泰史技士だ。
ミャンマーには小児心臓の専門家が少なく、「どういう治療が最善かを知らない」(千葉県こども病院の斎藤友宏医師)ため、治療に適切な「旬」を逃す子供が多い。愛媛大付属病院の高田秀実医師は、子供に超音波検査をするたび「適切な時期に治療してあげたい」との思いを強くしたという。