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【佐藤優の地球を斬る】日露間にある不信感拭う方策を (2/3ページ)

2015.9.26 08:30

北方領土問題で岸田文雄外相(左)に高圧的な態度を取ったセルゲイ・ラブロフ外相(右)。日露間には不信感が生じている=2015年9月21日、ロシア・首都モスクワ(AP)

北方領土問題で岸田文雄外相(左)に高圧的な態度を取ったセルゲイ・ラブロフ外相(右)。日露間には不信感が生じている=2015年9月21日、ロシア・首都モスクワ(AP)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 1993年10月の東京宣言で、細川護煕(もりひろ)首相とエリツィン大統領は、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の名称を明示し、これら北方四島の帰属に関する問題を解決して平和条約を締結することに合意した。四島の帰属に関する問題の解決には、論理的考え、日4露0、日3露1、日2ロシア2、日1露3、日0露4の5通りの可能性がある。ロシア側が、4島すべてがロシア領であるという主張を展開することは可能だ。しかし、北方領土問題に関する協議そのものを拒否することは、東京宣言に違反する。

 さらに2001年3月のイルクーツク声明で、東京宣言の有効性をプーチン大統領と森喜朗(よしろう)首相が明示的に確認している。今回のラブロフ外相の発言は、プーチン大統領の従来の発言とも齟齬を来す。

 首相官邸や外務省の一部には、プーチン大統領の政治決断で北方領土交渉が進むという希望的観測を持っている人がいるようだが、それは幻想だ。プーチンの対日観は、変化した。安倍政権がG7の一員として、ウクライナ問題を巡る対露制裁に参加しつつ、同時にロシアとの対決を避けるというコウモリ外交を展開していた。しかし、6月に安倍首相がウクライナを訪問し、2310億円の支援にコミットし、ロシアとの外交を「対話と圧力」、すなわち対北朝鮮外交と同じスタンスで進めると公言したことにより、プーチンは安倍政権と本気で北方領土交渉に取り組む意思をなくしたと筆者は見ている。

プーチン大統領の年内訪日に固執する必要はない

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