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【佐藤優の地球を斬る】北方領土問題、冷戦時代に回帰したロシア (3/4ページ)

2015.10.3 09:00

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 しかし、現在、ラブロフ外相、日露次官級協議で北方領土交渉を担当するモルグロフ外務次官は、クリル諸島(北方四島と千島列島に対するロシア側の呼称)は、70年前、すなわち第二次世界大戦の戦後処理の過程で合法的にロシアに移転しており、日露間に領土問題は存在しないという立場を取っている。

 1970年代末から80年代初頭、ソ連のブレジネフ書記長、グロムイコ外相は、北方四島がソ連に帰属することを日本が認め、根室半島と歯舞群島との間に国境線を画定して平和条約を締結するという立場を主張していた。ロシアの北方領土問題に対するスタンスは、冷戦時代のソ連に回帰している。このような状況で、今回の首脳会談では、安倍首相が直接、プーチン大統領に「平和条約交渉に北方領土をめぐる領土係争の問題が含まれているという日露間の合意に変化はありませんね」と念押しし、プーチンから「ダー(然り)」という回答を引き出す必要があった。しかし、今回の首脳会談で日本側がそのような努力をした形跡がまったくない。

北方領土交渉担当 杉山晋輔外務審議官

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