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ノーベル医学・生理学賞に大村智氏 農作業で学んだ精神力 まず「実行」 (3/5ページ)

2015.10.6 00:00

2004年9月、オンコセルカ症発症国の一つ、ガーナを訪れ、子供たちに囲まれる大村智(さとし)氏(本人提供)

2004年9月、オンコセルカ症発症国の一つ、ガーナを訪れ、子供たちに囲まれる大村智(さとし)氏(本人提供)【拡大】

  • 山梨大学時代、スキーの大会で1年間に獲得したトロフィーを前にした大村智(さとし)氏(本人提供)

 夜間部の教壇に

 卒業後は東京都立墨田工業高校の夜間部で教壇に立った。自分と大して年齢の変わらない生徒が昼間働き、夜に勉強する姿に心を打たれた。

 試験監督で教室を見回っているとき、ある生徒の手が目にとまった。仕事で使った油を手に付けたまま、一生懸命、答案を書いている。わが身を振り返り「自分は大学まで出してもらった。それなのになぜ、あまり勉強しなかったのか」。この経験をきっかけに「もう一度勉強し直して、学問をしよう」と決心した。

 東京教育大(現筑波大)の研究生を経て60(昭和35)年、東京理科大大学院の修士課程に入学。修了するまで研究生時代の2年間と合わせて計5年もかかった。朝は理科大に行って実験し、夜は高校で教鞭(きょうべん)をとる生活。自宅に戻る暇はほとんどない。「つらいとは思わなかったけれど、睡眠は足りなかった。充実した生活だった」。東大に合格して上京してきた弟の面倒をみるため、私立大の非常勤講師のアルバイトもした。

 「言うだけでなく、実行しなくては駄目」。それが信条だ。大切にしているのは周りへの気配り、思いやりの心だという。その言葉通り、故郷の山梨県で科学スクールを開き、韮崎大村美術館や温泉施設を建てる社会活動にも取り組んできた。

「厳しくもあり、優しくもある父」

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