三味線と歌。この組み合わせこそが、日本の風土にも四季にも、日本人の言葉づかいにも喜怒哀楽にも一番ふさわしい。楽器と声の両方が「間」(ま)があらわせるからだ。
初めて本條秀太郎の三味線と声と作曲に接したときは仰天した。感極まった。ああ、これだと思った。ここには三味線と歌の日本文化のすべてが体現されている。それだけではない。本條さんの試みには、日本の過去と未来が、本来と将来がつながっていた。その後、何度もコラボレートするようになって、さらに確信が深まった。本條さんは日本文化の最も大事なことを作って、演じて、伝えることができる稀有なアーティストだということが――。
それにしても、なぜ三味線と歌を聴く機会がこんなにも少なくなってしまったのだろうか。これでは日本はすたる。クールジャパンはここに戻るべきだ。なんとしてでも、まずは本條さんの端唄あたりから聴き始めてほしい。加えて、ぼくとしてはさらなる芸者さんの日々の活躍を願いたい。