10月8日、ペルーの首都リマで開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席した当局者=2015年(ロイター)【拡大】
日米欧と新興国の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は8日夜(日本時間9日朝)、ペルーの首都リマで開かれた。この日の一連の会合などでは、中国を含めた新興国の景気失速といった世界全体が抱える懸念が浮き彫りとなった。各国はリスク回避へ協調し、国内需要や雇用の拡大などで成長の底上げに取り組む。
麻生太郎財務相はG20の会合後、記者団に、中国の楼継偉財政相との会談で、構造改革の確実な実施を中国側に求めたと明らかにした。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は会合を控え「中国の動向は世界経済にとって大きな影響を与える」と述べた。
世界経済を牽引(けんいん)してきた中国は、先行きの減速傾向が鮮明で、株式市場の不安心理を増幅させている。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は8日の記者会見で「世界経済はいくつもの転換点を同時に迎えている」と訴え、特に中国経済の減速を理由に挙げた。
日本、中国、韓国の財務相・中央銀行総裁会議では、世界の経済成長は新興国の減速を受け「期待する水準に達していない」との認識を示し、成長力を高めるために構造改革に取り組むことで一致した。麻生氏は、経済再生や社会保障の充実に向けた政権の「新三本の矢」について説明した。