制裁どこ吹く風
平壌駅前にタクシーが並び、数年前まではなかった渋滞が起きていた。中心部を流れる大同江沿いには新しいマンションが立ち、日本並みの値段のレストランが地元住民でにぎわう。金正恩体制下の約4年間の現象だ。
北朝鮮では「トンジュ」と呼ばれる富裕層が出現。外交筋は「平壌に限っては、金を使う自由を与えている。金を使えるから稼ごうとする。消費文化を楽しむ特権階級が新たな権力基盤になっている」と指摘する。
韓国銀行の推計では、北朝鮮の昨年の国内総生産(GDP)成長率は前年比1%増。1人当たり国民総所得(GNI)の推定値は韓国の約21分の1と南北格差は拡大しているが、微々たるものとはいえ、国際社会の経済制裁にもかかわらず4年連続のプラス成長だ。北朝鮮経済に詳しい米研究者、マーカス・ノーランド氏は、成長の原動力は経済政策の成功ではなく「中国の経済成長からしたたり落ちるしずくだ」と指摘する。