【Viva!ヨーロッパ】
秋を迎えたモスクワは、黄金色に色づく木々が美しい。その中心部で、ひときわ多くの市民を引き寄せる巨大な公園がある。「ゴーリキー公園」。10月初旬の日曜日、公園では思いのほか暖かい日差しの下、人々は噴水の脇に腰を下ろして談笑したり、川岸で恋人との時間を楽しんだりしながら、足早に去りゆく秋を堪能していた。
ソ連崩壊後に荒廃
モスクワ川東岸に沿って細長く広がるこの公園は1920年代に開設された。正式名は「マクシム・ゴーリキー記念 文化休息中央公園」といい、名称にあるゴーリキーは「社会主義リアリズム」の生みの親ともいわれ、「どん底」などの作品で知られるソ連時代の作家、マクシム・ゴーリキー(1868~1936年)の名前が由来だ。
海外でも映画の舞台となったり、ドイツのロックバンド「スコーピオンズ」が東欧の民主化をテーマに歌った「ウィンド・オブ・チェンジ」で取り上げたりするなど、外国人にもその名が知られている。