【Viva!ヨーロッパ】
スペインの「国技」闘牛。この獰猛(どうもう)な牛と人間が戦う壮大なスペクタクルに、再び逆風が吹いている。今年5月の統一地方選で左派勢力が各地で躍進し、多くの市町村議会を牛耳ることになった結果、闘牛事業への補助金を廃止したり削減する自治体が相次いでいるからだ。世界で最も権威がある「ラス・ベンタス闘牛場」を擁する首都のマドリード市は24日、由緒ある闘牛学校への補助金の廃止を決めた。
削れるものは削る
「削れるものは削って、限られた財源を有効に使わなくてはならない。これが政治の役目です」
地元メディアによると、今年6月に就任したマドリードのマヌエラ・カルメーナ市長(71)は24日、市議会がマルシアル・ラランダ闘牛学校(生徒数38)への補助金廃止を決めると、このように語った。さらに、弁護士出身で急進左派政党「ポデモス(私たちはできる)」が後押しする政治グループの代表でもあるカルメーナ市長は「この学校への補助金は、他の文化的活動、スポーツ活動へ充てられている補助金と比べて金額が大きすぎる。また、行っている活動も動物の権利を侵している」と廃止理由を語った。