スペイン南部、アンダルシア州マラガ近郊の闘牛場付近で、反闘牛運動を行う人々。プラカードには「1世帯当たり年47ユーロ(約6400円)の税金が闘牛の維持に使われている」などと書かれている=2015年9月6日(ロイター)【拡大】
また、従来の闘牛への逆風は、専ら動物愛護の観点からのものだったが、今回は経済的理由が背景なのが特徴だ。しかも、「反緊縮」財政を掲げて躍進した左派政権下で補助金を削られる皮肉な結果となっている。
AP通信によると、スペイン中部の人口5000人ほどの小さな村、ビジャフランカ・デ・ロス・カバジェーロスも最近、闘牛事業への年1万8000ユーロ(約240万円)の補助金廃止を決めた。フリアン・ボラーニョス村長は「私に会いに来る人の十中八九が、仕事を求めて来ている。余裕のないこのご時世では、闘牛を話題にする人はいない。補助金廃止の本質は、金を使うなら『闘牛か学校の教科書か』といった問題だ」と語った。
第3の都市バレンシアでも今月、闘牛事業への補助金削除を決定。バレンシア州内の近隣市でこれに続く自治体が相次いでいる。まるで燎原の火のごとく、反闘牛の風潮が広まっているが、スペイン闘牛畜産組合のカルロス・ヌニェス会長はAP通信に「われわれは不公正な猛攻撃を受けている。統一地方選がもたらした激変は、全く想定していなかった。このままでは『国技』は廃れる一方だ」と憤懣(ふんまん)をぶちまけた。