50歳以上なら、「大きいことはいいことだ!!」というチョコレートのCMを覚えている人も多いだろう。このCM音楽を作曲し、出演していたのが山本直純(1932~2002年)。映画「男はつらいよ」、童謡「1年生になったら」など、あらゆるジャンルで膨大な作品を残し、指揮者、作曲家という枠には収まりきらない才能の持ち主だった。クラシック音楽の振興に偉大な功績のあった人物を特集する横浜みなとみらいホールの「グレート・アーティスト・シリーズ」が、山本直純を取り上げる。今年は直純が亡くなって13年になる。
子供を引きつける童謡
このコンサートの指揮をするのが直純の次男、山本祐ノ介。
「69歳で早く亡くなったとはいえ、やりたいことを全部やってしまって、我慢してやり残したという感じはしません。ふー、と一息ついて人生を終えた感じです。本人に病名を知らせていました。病院で、神様はまだ迎えに来ないなーなんて言っていました」。こう、父親の思い出を話す。