《離婚後、憧れの地、ベトナムへ単身移住して日本語教師となったみさお(松坂)のもとへ、故郷・新潟県で暮らす兄、雄一郎(柄本明(えもと・あきら))から電話が入った。雄一郎は少しずつ認知症の症状が見られるようになった母のシズエ(草村(くさむら)礼子)を介護施設に預けるという。雄一郎の反対を押し切り、シズエをベトナムに連れ戻ったみさおは、面倒を見ることにしたが…》
3週間に及ぶ撮影で、楽しくもあり、苦労もしたのがベトナム語会話だった。「教本を読んだり、DVDを見たりして撮影に備えてはいましたが、結果的には、撮影現場で通訳さんや共演者のベトナム人俳優から直接、せりふの発音を教わることで、少しずつ上達していきました。ベトナム語会話は日本語に比べて、口を強く横に開いて発声することが多かった気がします。喉の奥で発音したり、声調も上げたり下げたりと、それは難しかったですよ」。作中、若いベトナム人学生に対し、日本の文化や昔話をベトナム語で説明するシーンが挿入されたが、松坂は堂々とした振る舞いでクールに演じてみせた。