【牧野直子の健康ごはん】
カツオの旬は春と秋。秋の戻りガツオは脂がのっているため、春獲りのものに比べると脂質もエネルギーも多くなります。カツオの脂質には、血中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やして動脈硬化を予防するEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれます。
DHAは脳や神経組織に多く含まれるため、不足すると学習能力や記憶能力が低下することがわかっています。また、DHAの摂取により、認知症の予防・改善になるという研究もされています。また、カツオには肝臓の機能をサポートするタウリンも多く含まれます。タウリンは交感神経を抑制する働きもあり、それが塩分の取りすぎによる高血圧の改善につながることもわかっています。
カツオにしょうゆやポン酢しょうゆをかけて食べると塩分摂取量が多くなります。今回は、カツオにニンニクやオリーブ油の風味をなじませたり、香ばしく焼いてコクをプラスし、タレのポン酢しょうゆに粒マスタードを加えることで塩分控えめでもおいしく食べられる工夫をしています。