【牧野直子の健康ごはん】
フーイリチーは沖縄の麩と野菜の炒め物。炒め物といえば「チャンプルー」というのでは?と調べたところ、諸説いろいろあります。豆腐が入る炒め物は「チャンプルー」と言い、そうでない炒め物は「イリチー」という説。また「チャンプルー」は炒め物、「イリチー」は炒め煮という説明のものもありました。イリチーは材料を細く切る、ともありました。
私が沖縄料理のレシピの参考にしている本(「安田ゆう子の沖縄料理」那覇出版)では「フーイリチャー」で紹介されており、豆腐は使われておらず、確かに野菜は細切りでした。
麩は地方によって特色があり、形状や大きさが違います。沖縄にはチャンプルー麩という車麩があります。一般的な車麩に比べるとふんわりとした食感です。筒型の直径7~8センチ、長さ30センチくらいの棒状で売られていて、切って戻して使います。今回は食感が軟らかく、手に入りやすい小町麩で代用しました。
作り方のポイントは戻した麩に卵液をしっかり含ませ、焼きつけるところです。淡泊な麩に卵のうま味が加わり、焼くことで香ばしくなり、食感もしっかりします。卵の動物性タンパク質と野菜がしっかりとれる副菜を兼ねた1品なので、ごはんや夏場はそうめんのおかずにもいいですね。