修復作業中の縦180センチ、横80センチの黄金のベッドも、長年収蔵庫に眠っていた。アブドラさんらは、発見当時は修復に適切とされた「ろう」を丁寧にはがし、別の保護材に塗り替えている。
遺跡破壊は神に反する
エジプト政府は手狭になった現在のカイロ中心部のエジプト考古学博物館に代わる施設として、日本の支援を受けて大エジプト博物館を建設中だ。博物館本体に先立って開設された保存修復センターは、新博物館に展示するため、考古学博物館の収蔵品の修復を急ぐ。
大エジプト博物館のタレク・タウフィーク館長(保存修復センター長兼務)は「センターを中東、地中海地域を代表する専門知識の集積地にしたい。新博物館は人類の遺産を守るための建物になるはずだ」と意気込む。
一方、イラクやシリアでは「イスラム国」の遺跡破壊が止まらない。イスラム国は、古代の神々や王の像などは、イスラム教が禁じる偶像崇拝や多神教につながると主張し、破壊を正当化するが、アブドラさんはイスラム国こそ、神の言葉に反すると語気を強めた。