実験の内容についても「再現性が相当備わっている」と評価。ガソリンをまき終える前に風呂釜の種火から引火して現場が「火の海」となったのに、朴元被告がやけどを負わなかった点を踏まえ「自白通りの犯行を実現できる可能性は乏しく、内容に信用性を認める前提がなくなった」とした。
その上で「確定までの段階でこれらの証拠が出されていれば、有罪には達していなかったと考えられる」と結論付けた。
刑の執行停止については「無罪の可能性が高く、逮捕以来約20年にわたる身体拘束を続けるのは正義に反する」とした。
検察側は抗告審に入り実施した実験で、弁護側の実験結果を覆せなかったが「放火したという自白の核心部分は信用でき、自然発火の可能性はない」と反論、地裁決定の取り消しを求めていた。
無期懲役の刑の執行停止を認めた例には東電女性社員殺害事件がある。最高裁によると、再審開始が今後確定すれば、死刑または無期懲役となった事件では1975年以降で10例目。未確定のものには袴田事件がある。