大統領権限で再選挙
トルコでは2002年から13年間にわたり公正発展党(AKP)が議席の過半数を獲得し、単独政権を維持してきた。しかし、6月7日の総選挙ではクルド系の政党に票を奪われる形で議席を減らし、過半数を獲得することができなかった。このため、公正発展党による単独政権を目指すエルドアン大統領が、大統領権限で11月1日に再選挙の実施を決定した。トルコでの投票に先立って、10月25日に東京のトルコ大使館で、日本に在住する有権者のための在外投票が行われ、今回の衝突が起きたのだ。
クルド人はクルド語を母語とし、独自の歴史と文化を持つにもかかわらず、第1次世界大戦に勝利した英国とフランスがオスマン帝国を解体した際、クルド人居住地域(クルディスタン)が、トルコやシリア、イラク、イランに分断された。現在のクルド人人口は約3000万人と推定され、国家を持たない世界最大の民族といわれている。トルコ、イラク、イラン、シリアにおいて、クルド人は少数民族として差別されている。トルコでは1984年に武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が分離独立を求めて武装闘争を開始し、トルコ政府との関係が緊張している。エルドアン政権は、2013年1月から収監中のPKKのアブドゥッラー・オジャラン党首と対話を始め、強硬策を軌道修正している。