内部留保に課税を
グラフは、12年末にスタートしたアベノミクスの成果を端的に示している。「第1の矢」異次元の金融緩和効果で日銀資金は6月末までに181兆円、9月末までに200兆円以上も増えた。6月末までに企業と金融機関の内部留保である利益剰余金は80兆円増えた。日銀資金の増発に誘導されて円安が進行し、企業は収益を大幅に増やしているが、多くは内部留保となって蓄積する一方だ。財務省の法人企業統計によると、14年度の企業全体(金融機関を除く)の税引き前利益は4兆円増えたが、利益剰余金は26兆円も上積みされた。法人関連税の増加額はゼロだ。
利益剰余金増加はいわばアベノミクスのおかげである。その80兆円のうち50兆円を国内向け設備投資や賃上げに回せば、14年度490兆円のGDPはぐっと600兆円に近づくだろう。投資や所得増による波及効果でGDPは大きく飛躍するからだ。設備投資減税は廃止どころか、強化すべきだし、代わりに内部留保に課税すべきではないか。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)