群馬大病院で患者が相次いで死亡した問題を受け、設置された大学の医療事故調査委員会の会合。10月以降の調査制度では現場に戸惑いもみられる=2015年9月22日、群馬県前橋市(大橋拓史撮影)【拡大】
≪「おかしな死に方。真実が知りたいだけ」≫
センターへの報告をめぐっては、遺族側の意見は反映されず、早くも医療機関との間で認識が食い違うケースも出ている。
「おかしな死に方をしているのに、なぜ『対象外』なのか」。義父(67)を手術後に亡くした甲信越地方に住む男性(34)は憤る。
義父は今春、腹部の大動脈瘤(りゅう)の肥大化が確認された。医療機関で担当医から「これから長く生きるためには切除した方がいい」と助言を受け、9月30日に瘤を切除して人工血管をつなぐ手術を受けた。「腹部に残された針を探すのに時間がかかった」として約6時間を要したが、手術は成功したはずだった。
だが、10月1日に容体が急変し、2日に開腹手術した結果「腸が壊死(えし)し、手遅れだ」と宣告された。義父は3日後、亡くなった。
担当医からは「腸の毛細血管が詰まった」などの説明を受けたが、男性は納得できなかった。手術前、義父本人も「来年も田んぼがやれる」と術後を楽しみにしていた。