スー・チー氏の画像をスマートフォンで掲げる支持者。国民民主連盟(NLD)が圧勝の見込みとなり、歴史的な総選挙となった=2015年11月9日、ミャンマー・ヤンゴン(AP)【拡大】
計1万人に上った国内外の選挙監視団の活動は比較的自由に行われ、総選挙を見守った国際社会は総じて好意的な反応だ。欧州連合(EU)監視団の団長は10日の記者会見で「選挙戦は平穏に終わり、投票も全体的に順調に進んだ。事前の予想以上だった」と評価。
ケリー米国務長官は「政治指導者たちは民主改革の精神を持ち、共に働いてほしい」と強調。日本政府も「民主化のさらなる進展を期待する」と声明を出した。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪「民主化へ」米欧接近、中国は危機感≫
総選挙後のミャンマーは、外交面でも注目を集めている。旧軍政の流れをくみ中国と関係が深かったが、アウン・サン・スー・チー氏率いるNLDが政権を握れば、民主化を支援する米欧の関与が強まる見通しだ。ただ、中国もスー・チー氏に接近するなど危機感を強めている。地政学的要衝であるミャンマーは、経済開発でも「アジア最後のフロンティア」とされ、関係の深い日本にも影響が出そうだ。