スー・チー氏の画像をスマートフォンで掲げる支持者。国民民主連盟(NLD)が圧勝の見込みとなり、歴史的な総選挙となった=2015年11月9日、ミャンマー・ヤンゴン(AP)【拡大】
オバマ政権に支援期待
「世界の友人からの理解と協力が必要だ」。歴史的な総選挙から約1年前の昨年11月14日。ミャンマーを訪問したバラク・オバマ米大統領(54)との会談に臨んだスー・チー氏は共同記者会見で、そう強調した。
スー・チー氏が新政権を担った場合、最も支援を期待するのが米国だ。悲劇のノーベル平和賞受賞者の知名度は米国内で高く、ミャンマー民主化はオバマ政権の「実績」の一つだ。
米国は、1990年代から続ける経済制裁解除の条件の一つに選挙の成功を挙げてきた。解除されれば、米企業の進出のみならず、米国内での活動への悪影響を恐れ及び腰だった日本などの投資も本格化し、経済成長を加速できる。
ただ、ケリー米国務長官は、民政移管後初の選挙の実現を「重要な前進」と歓迎する一方、イスラム教徒少数民族ロヒンギャの権利向上なども求めた。スー・チー氏が国内世論に配慮し、この問題と距離を置き続けることは難しくなる。