来年11月の米大統領選に向けた共和党の第4回候補者討論会で、安全保障問題等について意見を述べるジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(左)と耳を傾けるマルコ・ルビオ上院議員。軍事介入をめぐっては、共和党内でも亀裂が生じている=2015年11月10日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー(ロイター)【拡大】
「マルコ、マルコ! 1兆ドル(約122兆円)も軍事費を増加させようとしているが、それでは保守主義者といえないよ」
リバタリアン(自由至上主義)の傾向があるポール氏は軍事面での米国の役割を強調するルビオ氏を批判した。国家財政が破綻してしまっては安全保障もおぼつかない。こう考えるポール氏はルビオ氏から「孤立主義者」と決めつけられたことへの怒りをむき出しにしていた。
ルビオ氏はポール氏の主張に「国家が安全でなければ経済は成り立たない」と反論。「イランの過激な(イスラム教)シーア派聖職者は核兵器取得を試み、中国は南シナ海を乗っ取ろうとしている。米国が最強の軍事大国であれば世界はより安全になる」と訴えた。
論戦で共和党内に亀裂
共和党内の亀裂は、イスラム国掃討作戦をめぐる議論にも現れた。口火を切ったのは、当初は本命視されながら現在は支持率が1桁台に低迷しているジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)だ。