【Fashion Addict】
名古屋市内を走る東海道沿いに宿場町、有松がある。地元では旅人に、絞り染めの手ぬぐいや浴衣を提供する商いを行っていた。その伝統の「有松鳴海絞」を現代によみがえらせ、世界に発信しているのが「suzusan」だ。絞りを営む家系の5代目、村瀬弘行さん(33)が、ドイツを拠点にファッションやインテリアの各種アイテムを開発。国内外の有名ブランドとコラボレーションするなど、評価が高まっている。
東京・青山のセレクトショップ、プレインピープルで10月に開かれた「suzusan」期間限定の出店では、絞り染めのショールやニットドレス、帽子など冬に向けた温かみのある商品が並んだ。素材はネパール産のカシミヤやペルー産のアルパカなど国内外から厳選し、絞り染めは全て地元・有松で行っている。どの商品も透けるように繊細で優しい手触りだ。
カシミヤのニットドレスは縫い糸を使わず、立体的に編む「ホールガーメント」の手法で作られた。「糸を使うと縫い目が絞り染めでゴワゴワになる。柔らかさを生かす工夫です」と村瀬さんはニッコリ。