村瀬さんは絞り染めを営む「鈴三商店」の5代目。有松鳴海絞は100年以上も続く伝統技術で、主に手ぬぐいや浴衣に使われていた。くくる、縫うといった手作業を通じて100種類以上の模様を生み、最盛期には職人が1万人以上いた。だが時代とともに衰退、職人数も200人程度に減ってしまう。
家業を継ぐことに反発した村瀬さんはアーティストを志してドイツ、デュッセルドルフの芸術大学に留学。だが在学中にロンドンで展示会を開いた父の作品が絶賛された様子に「世界でもたぐいまれな素晴らしさだと改めて気付きました」。
有名ブランドとコラボ
消えゆく絞り染めの伝統をよみがえらせたい。必要なのは現代に置き換えて、日本から世界に発信すること。流行から一歩引いた場所で日本を客観視し、世界の市場を見据えたい-。そう考えた村瀬さんはデュッセルドルフで2008年、「suzusan」を立ち上げた。まずファッションでストール、インテリアで照明器具を発表した。