マタハラ訴訟差し戻し控訴審の判決を受け、記者会見する原告代理人の弁護士=2015年11月17日午後、広島県広島市(共同)【拡大】
法廷で「産休前になぜ復帰後の役職を確認しなかったのか」と問われると「自分の都合で異動させてもらうのだからという引け目を感じ、口に出せなかった」と答えた。
指導強める厚労省
昨年10月の最高裁判決後、厚生労働省は事業主への指導を強めている。今年3月には「育児休業の終了から原則1年以内に女性が降格など不利益な取り扱いを受けた場合は直ちに違法」との新たな考え方をまとめ、全国の労働局に通知した。
妊娠・出産を理由に不当な降格や配置転換をされても「本人の能力不足だ」と企業が反論した場合、労働者が自分の主張の正しさを証明するのは難しい。このため厚労省は「業務上必要」と主張するなら企業側に説明責任を課すと打ち出した。
9月には、是正指導に従わない悪質な事業所名の公表にも踏み切った。
厚労省はさらに、上司らによるマタハラ行為について、事業主に防止措置を義務付ける方針だ。被害の相談窓口体制の整備も求める方向で、来年の通常国会への男女雇用機会均等法などの改正案提出を目指す。