首脳会談前に握手を交わす安倍晋三(しんぞう)首相(左)と、バラク・オバマ米大統領=2015年11月19日、フィリピン・首都マニラ(ロイター)【拡大】
それが、中国が南シナ海で岩礁を埋め立て建設を進めていた滑走路が完成に近づくと、米政府内で対中懸念が高まり、リバランス政策が実体を伴うようになった。中国覇権の拡大は南シナ海域の領有権問題に収まらず、米国への軍事的脅威になるからだ。
日本政府はフィリピンやベトナムに沿岸警備能力として巡視船を供与し、米国はフィリピン海軍の増強を支援している。
また、リバランス政策の一環であるTPP交渉が大筋合意に達するなど、バラバラだった日米の政策がかみ合い、両首脳間の関係とともに地域の安定に向けた連携が強化されている。
≪フィリピン大統領とも連携一致≫
安倍晋三首相は19日、フィリピンでアキノ大統領と会談し、南シナ海で中国が進める岩礁埋め立てや滑走路建設などの海洋進出への対応で協力していくことで一致。安全保障、経済の両面で連携を進めていくことを議論した。