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【大相撲】理事長しのぶ千秋楽 遺志くみ「淡々と」 (3/3ページ)

2015.11.22 05:00

親方衆や関係者は、九州場所が行われている福岡国際センター前で北の湖理事長を乗せた霊柩(れいきゅう)車を見送った=2015年11月21日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(中川春佳撮影)

親方衆や関係者は、九州場所が行われている福岡国際センター前で北の湖理事長を乗せた霊柩(れいきゅう)車を見送った=2015年11月21日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(中川春佳撮影)【拡大】

  • 「横綱北の湖記念館」に設置された献花台に花を手向ける地元の人たち=2015年11月21日午前、北海道有珠郡壮瞥町(共同)

 そっけないようにも映るが、これが「相撲人 北の湖」の生き方を表している。自分への特別な計らいや称賛を嫌い、決められた物事を淡々と行うことを重視。「淡々と、が最も難しい。時計の針が刻むように相撲も続いてきた。この伝統を守らなければ」と力説していた。周囲も意をくんだ。

 「この世界で育てられた」

 「相撲界で育った」が口癖だった。父、勇三さんと師匠の三保ケ関親方(元大関初代増位山)が同じ日に死去し、葬儀が重なった。13歳で入門した北の湖理事長は、迷うことなく師匠の葬儀に参列。「相撲界のおかげで今の私がある。この世界に育てられたから、答えは一つだ」と述懐した。

 相撲道の根幹である土俵と自分自身は表裏一体。最後となった本場所は、人生の徳俵で踏ん張ったが力尽きた。晩年は「力士が力を出し切ることが一番。そのためなら私は何だってする」と話した。今場所10度目の大入りとなった館内に響いた大きな拍手は、ぶれずに生きた男へのねぎらいにも聞こえた。(SANKEI EXPRESS

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