照ノ富士(手前)に攻められる白鵬。寄り切りで敗れる=2015年11月21日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(共同)【拡大】
「見ていこうと思った」という立ち合いはあまりに甘かった。照ノ富士に対し、ふわりと当たって右四つがっぷりで組み合う。互いに得意な形だが、いつもの攻め手を欠く。自ら仕掛けることなく3分に迫る持久戦の末、寄られると後退し力なく土俵を割った。
相手は右膝負傷を抱え、明らかに万全でない。実際14日目で白鵬に勝ってようやく勝ち越しだ。ふがいない内容の敗戦に「足と体が出なかった」と振り返った。
この日朝。前夜に急逝した北の湖理事長(元横綱)について「現役力士が頑張っているから飯が食える、それを守る協会でないといけない、と言っていただいた」と感謝していた。同じ横綱を張ったその理事長が生前に訴え続けた“土俵の充実”に見合った内容だったろうか。
楽日は先に戦う日馬富士が勝った時点で、自身の復活優勝はなくなる。「今日ちょっと長い相撲を取ったので、疲れが出ると思う。ゆっくり休んで明日頑張りたい」と淡々と語った。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)