「かつての地縁や血縁が薄れ、個人がネットと現実の間に漂う孤独な存在になってしまっています。例えば、基本的なコミュニティーの一つとして『会社』があります。かつては家族ぐるみの付き合い、いわば『社縁』のような絆があった。けれど、バブル崩壊以降、経済状況が悪化し、終身雇用が崩れ、2000年代以降は非正規社員が激増しました。いつ切られるかという不安から、自分の弱みを同僚にも上司にも打ち明けられず、孤立した状況になってしまったのではないでしょうか」
本書では、孤独病を生み出した時代背景やその構造、病に陥りやすい思考習慣、さらには処方箋を示している。ごみ屋敷やネットでの炎上、SNS疲れ…。具体的な症例はもちろん、話題になった人物や、ときには自身のエピソードを引き合いに出しながらの語り口は、親しみやすく読者を引きつける。「論文と違って、私自身の思い入れをシルエットが浮かぶぐらいに入れるようにしています。上から目線のお説教にはしたくないので…」