使われずに倉庫に眠ったままのバッグや洋服生地のデッドストックや缶詰の底部分などを再利用してバッグとして生き返らせた「CARMINA_CAMPUS」。再利用品とは思えないほどおしゃれでスタイリッシュ=2015年10月22日、神奈川県横浜市西区の横浜高島屋(田中幸美撮影)【拡大】
アパレルから農業へ
イラリアさんは、長くフェンディの「フェンディッシモ」でデザイナーとして働いていた。しかし03年、ファッション業界を離れ、ローマから車で30分の郊外にある廃虚となっていた広大な農場を取得。数年はひたすら農業に没頭し、敷地内の古い建物を環境と景観に配慮した建物に改築するなどして、オーガニックな農場に生まれ変わらせた。
めまぐるしく変化するファッション界の最前線から、自然に触れ合い、自然と穏やかに共生する日々へ。当然、関心は地球環境問題へと向かい、さまざまな活動の中で、アフリカの学生たちを訪ねる機会を得た。
世界で最も貧困な大陸といわれるアフリカの厳しい現実を目の当たりにして、「自分に何かできないか」と考えた。そんなとき、土産にもらった帽子をバッグに作り替えたところ好評を博した。
ファッション業界で培った手腕を、これまでとは異なるアプローチで生かせないか。そこで、行き着いたのが、廃材やデッドストック、生産ラインから外れた処分品など、新たに入手する素材ではなくて、捨てられたり倉庫の片隅に追いやられていたさまざまな素材を、バッグによみがえらせることだ。こうして彼女のもの作りがスタートした。