方丈(龍王殿)の広間正面には建長寺開山の大覚禅師(蘭渓道隆)の頂相(肖像画)、そしてその左右に龍虎の図。三幅の掛け軸の前では、この日だけで17席の客が招かれた。
茶菓は建長寺の梵鐘(ぼんしょう)のかたちの干菓子一対と甘辛く煮た一口大こんにゃく。天目台に乗せた天目茶碗(ちゃわん)にはあらかじめ抹茶が入れられている。茶菓と天目茶碗は「提給(ていきゅう)」と呼ばれる僧が運び、供給に手渡す。一つ一つの所作が寸分の違いもなく正確に流れていく。
4人の供給は2組に分かれ、その2人1組の動きも左右対称の舞いのようだ。まず正客にお茶を点てる。このときは膝をつくが、相伴客には立ったままで点前を行う。客は天目台ごと茶碗を差し出し、点前を受ける。
建長寺では毎年7月23、24日の開山忌法要の後、方丈に開山の掛け軸をかけ、昼食をいただく。「斎座(さいざ)」と呼ばれるこの食事もまた厳格な儀式である。四ツ頭茶会はこの斎座のうち、茶礼の部分を独立させたお茶の儀式だという。多くの人に禅院の茶礼を味わってもらうため、2003年の建長寺創建750年法要を期に復元され、以後毎年10月24日に盛大に行われている。