新たに加えた最初の4回転サルコーは回転軸が傾いたが、着氷でこらえた。続く4回転-3回転のトーループは非の打ちどころがなく、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も文句なし。スピンとステップはすべて最高難度のレベル4を獲得し、表現力などを示す5項目の演技構成点(10点満点)もすべて9点台を並べた。
レベルアップした演技に挑むことを決めたのは、SP6位と出遅れて優勝を逃した自身の今季GP初戦、スケートカナダの試合後のことだ。エキシビション前の練習で、4回転ジャンプを次々に決め、「もっと挑戦したいという気持ちが強くなった」という。
強い決意にコーチも驚き
羽生はオーサー・コーチに決意を伝えた。シーズン途中に難度を上げるのは異例だが、「やっていいですか」ではなく、「やります」と言い切った。
いずれは2種類の4回転を組み込むという目標を共有していたオーサー氏も、最初は「もう2本やるのか」と驚いた。練習拠点のトロントに戻ると、すぐに新たな構成で滑り始めNHK杯へ備えた。