昨季は激突事故の影響で不完全燃焼に終わった。自分が足踏みしている間に2種類の4回転を跳ぶ選手が増え、ライバルは進化していた。「難度を落として、それができるだけでは成長と言えない。僕にとっての成長はそんな幅じゃ駄目だと思った」と危機感を抱いた。
「これがゴールじゃない」
今大会でも、先に滑った18歳の新鋭、金博洋が難易度の高い4回転ルッツを決め、95.64点の高得点をマーク。「見てろよ。抜かしてやるという気持ちになった」と闘争心に火が付き、昨季から意地で変えなかったショパンのピアノ曲「バラード第1番」を2季目にして初めてミスなく滑り切った。
演技後、報道陣から集中したハイスコアに関する質問にも、「まだまだ成長していきたい。五輪で連覇するために、圧倒的に強くならないといけない。これがゴールじゃない」と満足することはなかった。攻めの姿勢を貫く五輪王者は、さらなる高みを見据えた。(SANKEI EXPRESS)