5県の中で最も指定廃棄物の保管量の多い栃木県では、今年9月の東日本豪雨で、県内の塩谷町の候補地が一時冠水した。
環境省は10月、町と合同で被害状況を調査した上で、「対策を講じれば(浸水を)防げる可能性はある」と説明したが、町側の不信を決定的にした。見形(みかた)和久町長は「浸水区域は選定の段階で候補地から除外されるはずだ」として、候補地の返上も示唆した。
国はこれまで、千葉県でも候補地1カ所を提示したが、地元の理解が得られず、茨城、群馬では候補地の提示すらできていない。
環境省が2012年9月、栃木県矢板市、茨城県高萩市へ候補地を打診する際、「事前に通告するとかえって混乱を招く」として、事前協議せず結果のみを通知したことから、両市が猛反発して候補撤回した経緯もある。