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バングラデシュ スラムの少女 怖いと感じたら生きていけない (3/5ページ)

2015.12.4 10:00

ゴミ山で立ち尽くすモスミ=2015年7月29日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)

ゴミ山で立ち尽くすモスミ=2015年7月29日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)【拡大】

  • 貧しさに耐えかねて出て行ってしまったお母さんが残したネックレスを見せてくれた=2015年6月2日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 売れるものを探しに行くゴミ山で、将来の夢を書いたカードを掲げてくれたモスミ(中央)=2015年7月29日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 裸足の足には傷が絶えない=2015年7月29日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 唯一の肉親であるおばあちゃんと=2015年7月29日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • 線路脇に延々と続くスラム=2015年8月2日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • モスミが通う教育センター。皆、ここでは子供の顔に戻る=2015年7月26日、バングラデシュ・首都ダッカ(ワールド・ビジョン・ジャパン撮影)
  • ワールド・ビジョン・ジャパンの山下泉美(いづみ)さん(左)=2015年8月2日、バングラデシュ・首都ダッカ(提供写真)
  • ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)__キリスト教精神に基づいて開発援助、緊急人道支援、アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO。子供たちとその家族、そして彼らが暮らす地域社会とともに、貧困と不公正を克服する活動を行っている。http://www.worldvision.jp/

 「ドンノバート」

 4日間の取材が終わり、モスミとのお別れが近づく。ドンノバートとは、ベンガル語で「ありがとう」の意味だ。別れの時、私たちはお互いに何度もこの言葉をかけあった。それ以外の言葉が見つからなかった。

 帰国後、数カ月たってもこの時のことを思い出すと無力感にさいなまれる。ワールド・ビジョンはスラムで継続的な支援を行っている。しかし、成果が目に見えるようになるには時間がかかる。

 モスミは支援によって、「教育センター」に通えるようになった。センターでは、学校に通うことができないスラムの子供たちのために、勉強の機会と用具を提供している。午前と午後に分かれて1日2時間勉強し、あとの時間はゴミ山で働く。スラムには経済的な事情で学校に通えない子供が多く、センターで抱えきれないほどだという。

 あんなに幼い少女が、裸足で無防備にいていいはずがない。あんなにひどいゴミ山で生きていていいはずがない。あの子を守るすべが教育センターだけというのは、なんと心もとない。それでも、教育センターにいる時間は彼女が唯一、守られ、子供らしくしていられる時間だ。あなたには生きる価値がある、希望をもって生きる権利がある、それを学ぶことができる唯一の場所だった。

創設者ボブ・ピアス「“何もかも”はできなくとも、“何か”はきっとできる」

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