11月20日は「世界子どもの日」(Universal Children’s Day)。1989年、子供の基本的人権を守ることを目指して、国連で「子どもの権利条約」が採択された日だ。私も3年前に母となり、わが子が生きる未来についてより一層考えるようになった。特に、仕事で訪れるアフリカ諸国の子供たちからは、「あなたには、まだできることがあるよ」と教えられ、励まされることが多々ある。
育児休業から復帰して1年半。新しく担当した国の一つに、コンゴがある。この国の出生率は6.0(日本は1.4)。人口は増える一方で、10~24歳の若者の割合は33%と高い(日本は14%)。
初めてコンゴの事業地を訪れた時のことだ。車を走らせていると突然、道端に横たわる一人の幼児が目に飛び込んできた。「まさか死んでいる?」あわてて車から降りて近寄った。2歳くらいだろうか、異様に痩せた男の子だった。
幸い男の子は生きていた。しかし、家の鍵は閉まっており人の気配もない。近所の女性は、母親は日雇いで鉱山で働いており、5人の子供のうち上の4人は一緒に働いていること、生活のため毎日働かなくてはならないのに1日1~2ドルしか稼げないことなどを教えてくれた。